世界には食糧不足で満足に食事もとれず栄養失調の子供たちがいます。
一方食料があふれている地域で、しかもきちんと食事を摂っているにもかかわらず、栄養失調になることがあります。1997年の私の著書「超食事革命」でも、「飽食の時代の栄養失調」としてこのことにふれています。
飽食の時代の栄養失調とは、食物の消化・吸収・代謝に不可欠な「酵素」が働くのに必須の、ビタミンやミネラルなどの不足、アンバランスにより、酵素が十分に働いてくれないことが原因のひとつです。
間違ったダイエットをしている人のみならず、食事の量が多く太っている人にも、一見普通に食事をしているような人たちにも、最近このタイプの奇妙な栄養失調(新型栄養失調)は多いのです。
私たちの心、身体は、食べたものから作られています。
新型栄養失調をおこすと、骨が弱くなったり、いらいらしたり、味覚異常がおきたり、肌荒れがいつまでも良くならなかったり様々な症状を引き起こすことが、栄養医学が進んだ今、さらにわかってきたのです。
栄養素のアンバランスがおきる原因には様々あります。
甘いものの取りすぎ、アルコールの多飲などはビタミンB群を消耗します。
ビタミンB群はアミノ酸から脳内でセロトニンなどの「元気ホルモン」を作るのに欠かせません。加工食品の摂りすぎもミネラルバランスを崩しやすいといえます。
(循環器専門医、米国NTI認定栄養コンサルタント)